依頼で漫画を制作したときの、恐ろしいエピソードを聞いてほしい
漫画を描く。
これは、実はあなたが思っているよりも大変なお仕事だったりします。
今回は、僕が漫画制作のお仕事をさせて頂いた、あるクライアントとの間で経験した「恐ろしいエピソード」をお話します。
是非聞いてください。
漫画制作はヒアリングが命
僕が漫画制作の依頼を頂くと、まず一番初めにするのが「ヒアリング」という事です。
ヒアリングは、実は僕のようなWEB集客用の漫画を描くお仕事の場合は、漫画を描く時よりも、一番超大変で、重要なお仕事です。
クライアントが、どんな目的で漫画を使いたいのか、どんな人(ターゲット)に向けてメッセージを伝えたいのか、キャラクターはどんな人を登場させたいのか、どんなセリフを入れたいのか、どんなストーリーにしたいのか。
本当に細かく丁寧にヒアリングをします。ヒアリングした内容は、必ず復唱をして確認も取ります。
今回お話するクライアントとも、スカイプで2時間ほど詳しいお話をさせて頂きました。
確認した内容は、クライアントにもメモデータとして渡しました。
そして、漫画制作の目的なども理解し、最後にストーリーの打合せもしたのですが、「私は素人だから、プロに全てお任せします^^」仰って頂きました。
そこからが苦悩の毎日の始まりでした。
全てお任せって言いましたよね
まぁ、クリエイターのお仕事をしている方にとっては「あるある話」だとは思いますが、今回のクライアントはそういう人間でした。
僕は、漫画の本番制作を始める前に、「ラフ絵」という、ざっくりとした絵とセリフが分かるものを作ります。
↓こんな感じです。
というのも、漫画を完成させた後に修正することって、本当に大変なんです。
絵を消して、線画を修正し、カラーも塗り直す。
吹き出しの位置も大きさも変える。
セリフも変える。
そんな事をやる訳ですから、かなり修正の労力がかかるのです。
ですから、できるだけ本番制作後の修正が少なくて済むように、大抵の漫画制作の会社などは、まずは「ラフ絵」を作るんです。
そのラフ絵を見て頂いて、漫画のストーリーとセリフの確認をして頂くんです。
ラフ絵だったら、修正も比較的簡単に済みます。
さて、そんなラフ絵でもストーリーや展開、セリフ、そしてWEBマーケティングの視点を全てからめたものを、ラフ絵として制作していきますので、1ページにつき2,3時間はかかります。
そして、ラフ絵が完成し、クライアントにお見せしました。
「全てお任せします^^」
という言葉があったので、修正はほぼ無いだろうと思っていました。
それが、ふたを開けてみると
「うーん、ちょっと僕のイメージと全然違うので、全部変えてもらっていいですか?」
僕は耳を疑いました。
「(えっ!?全てお任せしますって言いましたよね??全部変更ってどういう事!?)」
はい、このクライアントはまさに、「クリエイターと一番関わってはいけない側の人間」だったのです。
描き直しました
それでも、僕はWEB集客専門の漫画を描きます。プロです。
クライアントに、意図をお伝えしました。僕が作った流れが成約率が高いと。
ですが、聞く耳をもたず、「今から私がお伝えするように変更してください。」とおっしゃいました。
もう、この方は何を言っても聞いてくれないと感じた僕は、言われるがままの漫画に変更しました。
セリフ、展開、コマの絵の指定まで。
特にセリフ。
このクライアントの伝えてきたセリフは、どれもこれも人を騙そうとするような胡散臭いセリフで、言いたい事も分からない、とてもメッセージ性の低いものばかりでした。
これでは、読まれても成約につながらない。
「セリフですが、本当にこれでいいのですか?」
復唱しながら、全ての確認を取った。
「はい、大丈夫です。もう絶対変更はしません。」
そうか、それなら大丈夫だろう。
そう想いながらも、最後まで漫画を制作し終えました。
これ、やっぱり変更してくれませんか?
最終納品が終わり、数日後、そのクライアントからLINEでメッセージが入っていた。
「ちょっと今晩お話しできませんか?」
と。
なんだか、嫌な予感がしたものの、クライアントとスカイプをすることになりました。
すると、
「やっぱり、このセリフ変なので変更してください。どうしたらいいと思いますか?」
え、この人、「絶対」っていう意味知ってる?「絶対変更しない」って言ったよね。
もちろん、僕は最終納品以降でも、明らかにこちらのミスであれば喜んで修正には応じます。
ですが、散々変更依頼の確認を取ったあとの、この人のこのセリフ。
もうね、漫画のセリフだけじゃなくて、この人自身、セリフがぶれぶれなんですよ。
セリフの修正と言っても、絵をけし、吹き出しの大きさを変えたりと、全体のバランスが崩れないように修正するためにかなり手間と時間がかかるんです。
でも、人がいい僕は、
「分かりました。修正しますね。でもこれが最後でお願いします。漫画って言っても、時間をかけて制作しています。次回以降は本当に料金を頂きます。」
と言いました。
「分かりました。これで本当に最後です。」
と約束をしてもらい、修正作業をし、納品が完了しました。
やっと終わった。
しかし、鳴る鳴るLINEのピロンッという音
僕ね、本当にLINEの「既読」機能が大嫌い。
「既読」ってなったら、相手が読んだかどうか分かってしまいますよね。読んだなら返事してよって思われますよね。
このクライアントの厄介なところは、連絡手段がLINEなのです。
修正の納品が終わった後、何度も彼からLINEの「ピロンッ」っていう音にビクビクしました。
もちろん、内容は「やっぱりセリフ修正してくれ」とのこと。
もうね、本当にこっちからしたら、変更前も変更後も、何も変わってないようにしか思えない。
コピーライティングの基礎もできていない、ただカッコいいセリフっていうわけでもない。
単なる言葉遊びにしか思えない。
そんなやりとりが…
何度も…
何度も続いたのです。
最後は、「この漫画、僕が修正してもいいですか?」とのこと。
著作権の事が詳しくないあなたは、是非まずほら!そこのあなた、著作権侵害していますよ!という記事を読んで頂きたい。
このクライアントは、著作権の事何も分かっていないのです。いい加減もう疲れました。
最後は、もう加工の許可をし、連絡をしないでほしいと伝えました。
大変申し訳ないのですが、漫画を描くのが簡単だと思わないでください
絵や漫画もそうですが、WEB制作やデザインなど、この世のクリエイター全てに言える事は、「身と時間を削って作品を創り上げている」という事です。
もちろん、僕は独りよがりの作品にするつもりは一切なく、できるだけ精一杯クライアントの願いや想いを叶えられる作品をつくくろうと思っています。
しっかりと、確認を取って作業も進めています。
そんな中、確認したにも関わらずの、理不尽な修正はかなり辛いのです。
言ったら簡単にやってもらえるっていう事ではないと分かってほしかったんです。
まとめ
だから、簡単に「やり直せ」とか「安くして」とか言わないでね。身も心も削りながら頑張って作品を創りますから!
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[…] ちょうど、下請けの漫画家として嫌な経験もしていたので、バシッとブログ集客の先生でいこうって心を決めました。 […]