プロローグ:深夜2時のスマホと…
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CAST
彩葉が興奮気味に社長のデスクへ駆け寄る)
(老眼鏡の位置を直しながら、広げた設計図面から顔を上げる)
見てください、『いいね』が53件もつきました!
これ、入社してからの過去最高記録ですよ!
(ドヤ顔でスマホ画面を見せる)
ハッシュタグを研究して、映えるアングルで撮るために現場監督にお願いして…やっと成果が出てきたんです!
……で、桜庭くん。
そこから、資料請求や見学会の予約は何件入ったんだい?
(笑顔が凍りつく)
ただ、来月の着工スケジュールがまだ空白だ。
『いいね』が増えたことで、その空白は埋まるのかどうか、それが知りたいんだよ。
でも、認知は広がってますから! これからファンが増えていけば……
うちは大手のハウスメーカーとは違う。CMも打てないし、悠長にファンが増えるのを待っている体力は、正直あまりないんだよ。
(重いため息をつく)
俺たちはいい家を作ることしかできない。それをどうやってお客様に届けるか、君に新しい風を吹かせてほしいんだ。
職人さんたちの生活もかかってる。私の仕事は『いいね』を集めることじゃなくて、家を建てたい人を見つけることだもん……。
でも、これ以上どうすればいいの?
毎日施工事例のネタ考えて、画像加工して……。
これ以上投稿数を増やすなんて無理だよ。
……嬉しいけど、なんか虚しいな。
私がやってることって、穴の空いたバケツに水を注いでるだけなんじゃないの?
(目に涙が浮かぶ)
工務店がSNSだけで集客しようとするのは、
「釣り竿を持たずに海に飛び込む」ようなものだ
あなたが欲しいのは「いいね」ですか?
それとも「見込客リスト」ですか?
もし後者なら、今すぐ投稿の手を止めてください。
必要なのは、センスではなく「仕組み」です。
「向こうからお客様がやってくる」という
全く新しい世界の入り口が記されていた。
私が探していたのは、これかもしれない……!
>> 第1章へ続く
「衝撃の事実。『バズる』ことと『売れる』ことは違う」
