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【デジタル広告】Facebook広告のボイコット問題は一体どんな問題なのか?

    
ボイコットアイキャッチ
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【デジタル広告】Facebook広告のボイコット問題は一体どんな問題なの...

今回の記事の難易度★★★★★【上級者向け】
■今回の記事はこんな人のために書いています
⇒Facebook広告のボイコット問題の詳細について知りたい方

今回の記事を読むと以下のことが分かります
⇒Facebook広告のボイコット問題の原因と今後の流れの予想

最近かなり大きな問題となってるSNS広告のボイコット問題。知ってます??スターバックスやユニリーバ、マイクロソフト、コカコーラなどの世界的大手企業がFacebook広告への広告支出を停止したんですよね。

また、Facebook広告だけに限らず、スタバはなんと、「全てのSNSのプラットフォームでの広告を一時停止する」って言ってるんですよね。

「え?なんでなんで?なんでそんなことになってるの?どういうこと?」

って思っているあなたのために、頑張って調べました。この問題について、なるべくわかりやすく解説していきますね。

一体、デジタル広告の世界では今何が起きてるのか!?

ジュンイチ

1)なぜ世界的な大手企業がFacebook広告をボイコットしているのか?

原因と言われているはこれ。

Facebookをはじめとしたソーシャルメディアが、ヘイトスピーチ」を抑制する対策が不十分だから、ということ。

もっと簡単に言ってしまえば、スタバなどの世界的大手企業は

「ソーシャルメディアを運営している企業よ! あんたら、ヘイトスピーチ対策をちゃんとせぇへんから、罰として今までたくさん払ってた広告費を止めるわ!

ジュンイチ

っていうペナルティの意味も含めてボイコットしているんですよね。

参考:BBC NEWS JAPAN「米スターバックス、SNSの広告を停止 憎悪表現の阻止目指し」2020/6/29

※ヘイトスピーチ(憎悪表現)って何?:人種や出身国、民族、宗教、性的指向、性別、容姿、健康(障害)などなど、自分で変えることが難しいことにもとづいて、個人または集団に対して行う攻撃的、脅迫、侮辱する発言や言動のこと
(例:「○○人は国へ帰れ!!」「○○人はこの街から出ていけ!」など)

1-1)実際にスタバが出した声明の全文

We believe in bringing communities together, both in person and online, and we stand against hate speech. We believe more must be done to create welcoming and inclusive online communities, and we believe both business leaders and policy makers need to come together to affect real change. 

We will pause advertising on all social media platforms while we continue discussions internally, with our media partners and with civil rights organizations in the effort to stop the spread of hate speech.

引用:STARBUCKS 「Creating Welcoming and Inclusive Online Communities」2020/6/28

翻訳

私たちは、コミュニティを直接、オンラインの両方で結びつけることを信じており、悪意のある表現に反対しています。歓迎的で包括的なオンラインコミュニティを構築するには、もっと多くのことを行う必要があると考えています。また、ビジネスリーダーと政策立案者の両方が、真の変化に影響を与えるために集まる必要があると考えています。

ヘイトスピーチの拡散を阻止するために、メディアパートナーや公民権組織と内部で話し合いを続ける間、すべてのソーシャルメディアプラットフォームでの広告を一時停止します。

Google翻訳にて翻訳したもの

2)大手企業がFacebook広告をはじめ、SNS広告をボイコットする意味と影響

とにかくヘイトスピーチの対策が不十分なソーシャルメディア運営側に制裁を加え、早急な対策を求めたかったからです。

特に以下のように、今回のボイコットに参加している大企業が毎年Facebookに支払っていた広告費はめちゃくちゃ多額なんですよね。

2-1)ボイコットに参加している企業の一例と、使っている広告費

世界的企業のFacebook広告ボイコットの一例が以下の表の通り。あくまでも一部しか載せていないんですが、いかに額が大きいか分かりますよね。

企業名広告費メモ
マイクロソフト1億1600万ドル
(約125億円)
Facebookにとって3番目の広告主
5月にアメリカでの広告停止
スターバックス9,486万ドル
(約101億6,000万円)
Facebookにとって6番目の広告主。すべてのSNS広告を停止
コカ・コーラ2,210万ドル
(約23億7,000万円)
少なくとも30日間はすべてのSNS広告停止
ユニリーバ4,240万ドル
(約45億円)
6/26にボイコット表明
2020年内は撤退の予定
ベライゾン2,290万ドル
(約24億6,000万円)
アメリカ通信大手
レクリエーショナル・イクイップメント2,250万ドル
(約24億1,000万円)
アウトドア用品
パタゴニア(620万ドル)アウトドアブランド
ホンダアメリカ(600万ドル)自動車メーカー
ノース・フェイス(330万ドル)アウトドア用品
リーバイ・ストラウス(280万ドル)リーバイス(アパレルメーカー)
エディー・バウアー(140万ドル)ファッションブランド

↑これらはあくまでも一部で、今(2020/7/1時点)で分かってるボイコット企業数は160社以上にものぼってるんですよね。

【追記】さらにボイコット企業が増え、自動車メーカーのフォード、アディダス、ヒューレッド・パッカード(HP)、ベストバイなども参加。400社以上がボイコットに参加している。(2020/7/2時点)

参考:Facebookの収益と広告費の関係

これら有名企業のボイコットがどんだけ大きな影響があるのか? っていのはFacebookの収益を見てみると分かると思う。

Facebookの2019年の収益額は707億ドル(約7兆6000万円)。この収益額の内、99%の697億ドルが広告費。

2-2)ボイコットが与えている影響

大きくは3つかなと!

  1. Facebookの株価の急落
    ⇒Facebookの株価が8%急落。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏の個人資産にも影響。72億ドル(7700億円)も目減りした。
  2. Facebookがヘイトスピーチ対策の強化
    ⇒後ほど詳しく解説します。
  3. ボイコットがヨーロッパ企業に広がる可能性
    ⇒#StopHateforProfit(利益のためのヘイトを止めよう)という運動の中心人物のコモン・センス・メディア社長のジム・スタイヤー氏さんが、ヨーロッパの企業にも広告のボイコットを求める予定

Facebook側の抜本的な対策が発表されない限り、まだまだ広がっていきそうな予感がするね。

ジュンイチ

3)ことの発端は何?

そもそも、なんでこんなにもFacebook広告ボイコット問題が広がってきているのか?

ことの発端は、今年2020年5月に起きた黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人の警察官に膝で首を絞められて死亡した事件。色んな所で映像が公開されているから、見られた方も多いんじゃないかな。

この事件をきっかけに人種差別に抗議するデモ・暴動が拡大していきました。このデモ・暴動がそもそもの発端。

3-1)アメリカのトランプ大統領の発言への対応がFacebook批判を加速させた

このデモ・暴動の拡大を受けてトランプ大統領は、2020/5/29にTwitterとFacebookで以下のように発言。

■Twitter↓

トランプ大統領の発言(Twitter)
Twitterより(※ドナルド大統領のツイートがTwitter規約違反のため埋め込めず…)

■Facebook↓

トランプ大統領の発言(Facebook)
Facebookページでの発言。

■トランプ大統領の発言の問題点
・略奪者を「凶悪犯」「ごろつき」と表現
・「州兵を送り込む」と発言
・「略奪が始まれば、発砲が始まる」と発言
これらが暴力を賛美する、と問題になった。

3-2)明暗を分けた!TwitterとFacebookのトランプ大統領の投稿への対応の違い

トランプ大統領は、FBとTwitterの公式アカウントでほぼ同じ内容を投稿。

その投稿に対する、FBとTwitterの対応の違いが分かりますか?(よかったらまた上に戻って見比べてみてください)

  • Twitter⇒『暴力の賛美』にあたる、とツイートに警告をつける
  • Facebook⇒何もしない

このFacebookの対応(放置したこと)こそが、今話題になっているFacebook広告ボイコット運動に繋がっているんです。

つまりトランプ大統領の今回の投稿は、ヘイトスピーチや暴力を助長するような不適切な投稿なんですよね。

「こんな危険な投稿を放っておくなんて・・・!」

と、様々な企業が反発。さらには、Facebookの社内の人間も「うちの会社はもっとちゃんと対処すべきだろ!」と怒りの声をあげました。

Facebookが、ヘイトスピーチや暴力的な投稿を放っておくから、社外だけじゃなくて社内の人間にも反発を食らってしまったんだよ。それがFB広告のボイコットに繋がってるんだよ。

ジュンイチ

4)多数の大企業のボイコットを受け、Facebookの対策は?

さすがに多くの企業がFB広告をボイコットしたことをきっかけに、マーク・ザッカーバーグCEOは方針転換

  • Before:「言論の自由にのっとり投稿は表示させておく。Facebookは真実の裁定者にならない」
  • After:「暴力賛美や投票妨害に関するコンテンツは削除する」

4-1)Facebookが発表した4つの対策

2020/6/27のザッカーバーグ氏の発言によると、主に以下の4つ。

  1. 大統領選に向けた投票関連情報の提供
  2. 投票妨害行為への対策強化
  3. 広告のヘイトコンテンツに関する規制基準設定
  4. ニュース価値のある不適切コンテンツへのラベル表示

他にも以下のようなことを言っています。

  • 人種や移民などを驚異として説明する広告を禁止
  • 暴力を煽ったり、投票を抑圧するコンテンツは政治家の発信であっても削除
  • それらに当てはまらないコンテンツには「Problematic(疑わしい)」というラベルを付ける

※他にもこんな取り組みも!

2020/6/30にニュースフィードのアルゴリズムを変更。オリジナルのニュースを優先して表示させるようにした。

政治広告に対する取組み
→政治広告を出すためには認証プロセスを通過しないといけない

5)結局、大企業のSNS広告ボイコットが求めているコトとは?

『世界から人種差別をなくしたい。SNSヘイトスピーチをなくしたい。』

それが今回のボイコットが求めていること。人種差別の歴史は深い。でも、ソーシャルメディアを使えば、場所なんて関係ない。世界中の人と一瞬で繋がれるんですよね。

そんな時代だからこそ、人種とか民族とかそんなコトの違いで、差別をしていくなんて時代遅れなんです。

優しい世界へ

生まれた国、人種、民族などなど、どうしようもない理由で特定の人や団体を攻撃するなんてめちゃくちゃダサいよね。

これって小さい頃に親や先生から習う「相手の立場に立ったらどう思う?」っていうことをしっかり理解できていれば、なくなる問題だと思うんですよね。

インターネットを通じて一瞬で世界中の人と繋がれる現在。多様性を認め、それぞれの良さを活かして社会を、世界を発展させていける優しい人が少しでも増えたらと僕は思います。

あなたがしようとしている発言、投稿しようとしている内容って、逆にあなたに向けられたときに傷付いたりしませんか?

画面の向こう側には、あなたと同じ人間がいるからね。僕もあなたも、逆の立場に立って考えられる思いやりのある人間でありたいよね。

ジュンイチ

参考記事

BBC News Japan「米スターバックス、SNSの広告を停止 憎悪表現の阻止目指し」2020/6/29

BBC New Japan「フェイスブック「有害」コンテンツにラベル表示へ 大手企業の広告引き揚げ受け」2020/6/27

iFOREX「Faceboo株8%暴落の裏に広告ボイコット」2020/6/29

Yahoo!ニュース「スターバックス、ユニリーバ、コカ・コーラが相次ぎ広告ボイコット…Facebookに何が起きている?」2020/6/29

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